Masukとにかく、俺はあの白いマシュマロのような美羽の胸に触りたい!
願いはただひとつ!!こうなったら、どさくさに紛れてマシュマロに顔を埋めるのはどうだ?
それが無理なら偶然を装って少し触れるくらいならいけるだろ!!
というわけで、「マシュマロ作戦~おっとつまずいたこれは不可抗力だから仕方ないだろう~」を決行することにした。「やりやがったな!」
マシュマロ作戦は、あくまでも自然に行わなければならない。決してお触り目的だということを悟らたらミッション失敗だ。
悟られた瞬間、ビンタ炸裂でせっかく上げた親密度も下がってゲームオーバーで、俺様のここまでの苦労が水の泡だ。それだけは避けなければ。
俺は美羽を追いかけた。美羽は子供たちと一緒になって、キャー、王雅が来るー、とかカワイイ声だして逃げていく。
俺は逃げるマシュマロだけを追いか
「みなさま、お待たせしました! 今から、ミュー先生、あ、違った。新婦の登場です!」 どっ、と遊戯室に笑いが起きた。ガックンが司会を進めてくれるようだが、勿論プロじゃないから間違えてしまった。でも笑いがあって、楽しい。 遊戯室の入り口に、オフクロが美羽のために作ってくれたという、純白のドレスに身を包んだ花嫁が現れた。『生きる意味 探してた あなたに逢うまでは 鮮やかな夢 心繋ぐ 深い絆...…』 美しいピアノの調べに、女性ヴォーカルの透き通る声が遊戯室に響いた。 ゆっくりと、恭一郎にエスコートされた美羽が、俺の方へ向かって歩いてくる。 オフショルのドレスなのに、シンプルで上品で、とても洗礼されている。 流石、サヨ・サクライのドレス。 彼女の美しさが、このドレスによってより一層引き立っている。真凛も腕がいい。メイクも完璧だ。美羽は、本当に綺麗だった。世界一の花嫁だ。『傷つくことで 初めて知った』 美羽ちゃん綺麗だなぁー、と早速、横山と平岡が揃って泣き出した。 案の定号泣している。美羽の親父代わりだっただろうから、無理もない。 『あなたの深い 愛で包まれてた事を』 美羽と出逢って、俺はこんなにも幸せに包まれて、変わったんだ。 いつも美羽が、俺を深い愛情で包
そうそう。真秀と真凛の結婚式も、今度施設で挙げるんだ。 とりあえず先に俺と美羽を祝福してからだって。 海外で挙式させてやりたかったんだけど、パスポートの関係で子供たちを連れて行くのが無理だからどうしようかと思っていたら、真秀や真凛も、俺等と同じく施設での結婚式をやりたいって言ったんだ。 花井の件がカタついてから、用意していた礼に出生調査票渡してやったら、泣いて喜んでたことを昨日のように思い出す。 俺の予想通り、真秀と真凛は本当の兄妹じゃなかったんだ。 病院で取り違えがあったらしい。同じ日に産まれた、双子の兄妹。 そんな偶然ってあるんだな。 まあ、アイツ等が別に本当に血がつながっていても、二人きりしかいないんだし、誰に迷惑をかけるわけじゃないし、別にそのまま愛し合ってもいいとは思うけど。 でも、この世の中では、それはやっぱり道徳的に無理なんだ。だからふたりとも苦しんでいた。 真凛だって真秀との子供を産みたいだろうし、本当の兄妹なら近親相姦になってしまうから、子供は諦めただろう。だから本当の兄妹じゃなくて良かったなと思う。変な話だけど。 それに今日は、真凛が美羽のメイクを担当してくれたんだ。 髪の毛も綺麗に整えてくれるって言ってたな。 彼女の夢は、メイクアップアーティストなんだってさ。でも、その日暮らしの生活が精一杯の自分には、そんなチャンスはなかなかないし、勉強できる機会も無いから、諦めていたんだと聞いた。 だから自分の化粧も派手で濃かったんだな、と納得した。 真凛の夢は、俺が手伝ってやるつもりだ。 センスはあるんだ。機転も利く女だし、頑張る夢は応援してやりたい。 そうだ! 今度サヨ・サクライのカタログに写真撮影する時、メイクとして同行させ、真凛を売り込んでやろう。 後は彼
「美羽さんのお陰で、新しいブランドを立ち上げることにしたの。キングフェザー専属よ。ブランド名は、ビューティーフェザー。いい名前でしょう? 女性ドレス専門! あ、リトルフェザーも作ろうかしら。チイちゃんみたいな小さな女の子と、男の子にも着れるような、かわいいお洋服をデザインするの。普段着からフォーマルまで作って……メンズ部門も楽しそうだから、ワクワクするわね! 言ったからには、しっかりプロデュースしてね。あ、売り上げの5パーセントは、王雅の機関に寄付するつもりよ」 「いいじゃねえか! ガンガン稼いでくれよ。メンズ部門は俺に任せてくれ。あ、オヤジも協力してくれよな!」 ビューティーフェザー(美羽)か。最高だ。 オフクロも粋なコトする。 俺の方でプロデュースしたメンズ部門でしっかり売り上げを叩きだして、目いっぱい寄付してもらおーっと。「もう既に櫻井グループを私物化して、勝手にキングフェザーに使っているだろう。私が知らないとでも思っているのか、王雅」「いいじゃねえか。ケチケチするなよ。親の財産を子供が使ってなにが悪い? 会社に大貢献してるんだし、取締役の特権だろ」「誰よ、さっきは親じゃないとか言っておいて! 調子がいいわね。あなた、もう王雅に援助しなくてもいいわよ」 俺とオヤジの会話に、オフクロが口を挟んできた。 「いやいや。孫と遊ばせてくれるというなら、もっと色々協力してもいいのだが? 今後もキングフェザーのビルテナント賃料、無料で手を打ってやろうじゃないか。今度港区の立地のいい場所にホテルとオフィスビル建設するから、そのビルのフロアも、キングフェザーのオフィスに利用するなら、無料で使わせてやるぞ。どうだ、王雅」 オヤジがとんでもないことを言い出した。「それとこれとは話が別だろ! 孫を盾に取るなよ。絶対ダメだっ!! でも、テナント賃料はタダにしてくれ。それは大いに助かる。オフィス
「ごめんなさい、王雅」オフクロが俺の傍に来て、目じりにうっすら浮かんだ涙を拭ってくれた。「やっぱり美羽さんの言う通り、ずっと辛い思いをしていたのね。全然気が付かなくて、親失格ね。王雅にこの前、今まで育ててくれてありがとうって言われて、振り返ってみたら、私達親らしいこと、なにも王雅にしてあげてないなって思ったの」「もういいよ。触んな。恥ずかしいから」 これ以上みっともない姿を、こんな大勢いる広場で晒したくない。 「王雅、本当にいい女性を見つけたのね。美羽さんは王雅には勿体ないくらい、とっても素敵な女性ね! 実を言うとね、私、ずっと娘が欲しかったの。王雅ができて男の子ってわかった時、残念に思ったのよ。かわいいお洋服を子供に作ってあげられないでしょう? それでも自分の子供だからかわいいかと思って期待したんだけど、王雅は全くかわいくないし、もう、心底ガッカリしたのよ。お陰で仕事に没頭して、これだけのデザイナーになれたんだけどね。だから王雅の時に出来なかった分、美羽さんに沢山お洋服作るのが、今からとっても楽しみなの。あ、早く孫も作ってね! チイちゃんみたいな、かわいい女の子がいいわ。男はもう、王雅でコリゴリ」 本人に向かって言うかふつう。マジでひどい親だな。がっかりしたとか本人に聞かせる話か?「大事な子供を、オフクロみてーなひどい女に誰が抱かすか。お断りだ」「まっ! それが親に向かって言うセリフなの!?」「親じゃねーだろ。ずっと放置しといて、今更なんだよ! しかもガッカリしたとか言いやがって! 親が子供に向かって言うセリフかよ!?」「だから放置については、ごめんなさいって言ったでしょ! ガッカリっていうのも、本当のことなんだもの!! 正直な感想でしょ」「言っていいことと悪いことの区別もつかねえのか? ゴメンですんだら、ケーサツいらねーんだよ!」 このセリフ、いつもライタが言って
ああ、佳奈美に返したくねえ。やっぱチイ、嫁に欲しい。 嫁がダメなら娘に欲しい。佳奈美に交渉してみようかな。「きゃあああーっ、チイちゃん、とってもかわいいっ!! ちょっと王雅、貸しなさいっ」 オフクロが俺を突き飛ばして、チイを奪取した。「チイちゃーん。おばちゃんもチイちゃんがとーっても好きよっ! 今度おばちゃんがカワイイお洋服作ってプレゼントするから、絶対着てねー!」「オイコラ! 実の親が、めでたい席で新郎突き飛ばすって、どーいうつもりだ! オフクロっ」 文句言ったが、聞いちゃいない。オヤジと一緒に、チイちゃーん、と笑顔を湛えてチイを取り合ってる。 クソッ! 俺の時と全然違うじゃねーかっ!! 俺は一回もお前等に取り合われたことも、かわいいと愛でられたことも、笑顔を見たことさえ一度もないっていうのにっ!! こうなったら、家ごと売り飛ばしてやる! 「王雅さん。本日は美羽さんとのご結婚、誠におめでとうございます。その節は色々とありがとうございました」 佳奈美が俺の傍にやって来て、祝いの言葉を述べてくれた。「今日は美羽さんにご招待頂いて、先ほど、持参したお料理を並べさせて頂きました。ぜひ召し上がって頂けたらと思います。王雅さんが、智衣のことを我が子のようにかわいがってくださっていると、美羽さんから伺いました。本当にありがとうございます」「あー……いや、なんかゴメンな。俺の両親がチイをオモチャみたいにして……」 ていうか、早く俺に返せ。
「オフクロがこんな顔に産んだんだろーが。知るか。おーたんはおーたんだ」「ぷっ……あはははっ!! 王雅がおーたんなんて、全っっっ然似合ってないわ! ああ、おかしい」 俺にそっくりの顔で――あの、お菓子の家で写真を撮った時の俺と同じ顔で、オフクロが笑った。 オフクロのそんな笑ったところ、俺、生まれて初めて見た――「驚いた。小夜、君がこんなに笑うなんて」 黙って俺達のやりとりを見ていた、オヤジの方も笑っている。 マサキ施設は、魔法の施設だな。 俺達みたいな笑う事に無縁だった冷たい人間でさえ、ここに来ると、誰でも笑えることができるんだ。 オフクロも、オヤジも、俺と一緒じゃねえか。 ちゃんと血が通っていて、笑う事が出来るじゃねえか。 ただ、あの広くて寒い家じゃ、出来なかっただけなんだな―― 「おーたんママ、パパ、こんにー」 こんにちは、と言いながらチイが腕を伸ばした。オフクロが戸惑って俺の方を見つめてきたから、抱いてやってくれよ、と、オフクロにチイを託した。「おーたんママー」 チイがオフクロに笑いかけてくれた。いつもの満面の笑み。俺様もメロメロになってしまう、チイの最高の笑顔で。「まあ……なんてかわいいの」 慣れない手つきで、壊れ物に扱うように丁寧な様子で、オフクロがチイを抱いた。「







